レディスのストレートジーンズの歴史

まっすぐに落ちる一本のデニム。

ストレートジーンズは、見た目こそシンプルですが、女性たちが生きてきた時代や価値観を、静かに映し出してきました。
流行の波に飲まれることなく、気づけばいつもそばにある定番。だけど、定番になるには、長い時間と多くの選択が必要だったのです。

この記事では、レディースのストレートジーンズがどのように生まれ、どんな時代を通って「当たり前の服」になっていったのかを、ゆっくり辿ってみたいと思います。

 

 

はじまりは「男の服」

ジーンズはもともと、1870年代にアメリカで生まれた男性のための作業着でした。リーバイスが仕立てたリベット付きのデニムパンツは、炭鉱や開拓地で働く男たちの必需品として定着していきます。

当時のジーンズは、太めのストレートシルエット。動きやすく、耐久性があり、洗えば洗うほど身体に馴染む。そんな実用性が重視されたもので、女性がジーンズを履くという発想は、ほとんどありませんでした。

「ジーンズは男のもの」。それが、社会の常識だったのです。

 

静かな革命:1940〜50年代

女性がジーンズを着るきっかけが生まれたのは、第二次世界大戦中のこと。男性たちが戦地へ赴く中、工場や農場では、女性たちが作業に従事するようになります。そこで求められたのが、丈夫で動きやすい服。つまり、ジーンズです。

戦時下に支給された作業用のジーンズは、男性用をベースにしていたため、シルエットはストレート。初めて女性がジーンズを日常着として着た瞬間でした。

戦後、ハリウッド女優たちがジーンズ姿でスクリーンに登場すると、その影響で「女性がジーンズを履く」ことが、少しずつファッションとして受け入れられ始めます。1950年代には、マリリン・モンローが映画『荒馬と女』の中で履いていたストレートジーンズが話題に。ジーンズは「男の作業着」から「女性のかっこよさの象徴」へと変わり始めていきます。

 

 

自由の時代とともに:1960〜70年代

1960年代は、世界的に女性の意識が変化していった時代です。フェミニズム運動が起こり、女性が「こうあるべき」という社会の枠組みに疑問を持ち始めました。

そんな中で、ジーンズは「自由と平等」のシンボルとして愛されるようになります。性別を問わず、同じ形のジーンズを履くという行為そのものが、ひとつのメッセージになったのです。

この時代のレディースジーンズは、メンズと同じくストレートが基本。体のラインを強調するのではなく、自然なシルエットで“自分らしく”いられる服として選ばれました。

とくにアメリカでは、大学生や若者たちの間でストレートジーンズが日常着として広まり、自由を求める世代の“制服”のような存在になります。

 

流行とともに揺れるシルエット:1980〜90年代

1980年代に入ると、ファッションの主流がより派手で構築的な方向へと向かっていきます。カラーパンツやスリム、バギー、ハイウエストと、さまざまなシルエットのジーンズが次々と登場し、流行しました。

90年代にはグランジやミニマリズムの流れの中で、再びシンプルなストレートが見直され始めます。特にヴィンテージが人気となり、ストレートジーンズは「古き良きアメリカ」を象徴するアイテムとして再評価されていきます。

またこの頃、日本でも女性用のストレートジーンズが数多く登場し、若い世代を中心に定着していきました。コンビニに行くのにも、デートにも、旅行にも。何にでも合う“普通でかっこいい服”として、日常に根付いていったのです。

 

 

多様性の時代へ:2000年代〜現在

2000年代以降、レディースジーンズはさらに多様化していきます。ローライズ、スキニー、ボーイフレンド、フレア……どんな体型にも、どんな気分にも合うジーンズが市場に出回るようになりました。

そんな中で、ストレートジーンズは“ニュートラル”な存在として、逆に存在感を増していきます。どの年代にも似合い、流行に左右されにくく、自分らしさを表現できる一本。

最近では、股上深めで脚を長く見せるハイウエストのストレートジーンズが人気です。素材もセルビッジデニムやオーガニックコットンなど、より上質でサステナブルなものが好まれています。

また、体型に合わせた“立体裁断”や“フィット調整”も進化し、「ストレート=ただのまっすぐ」ではなく、着る人に寄り添うシルエットとして進化を続けています。

 

「まっすぐ」であることの意味

ストレートジーンズは、時代の大きな波の中で、派手さや流行を追いすぎることなく、静かに支持されてきました。それはきっと、「まっすぐ」であることの強さと安心感が、女性たちの生き方と重なっていたからではないでしょうか。

自分らしく生きること。誰かの目ではなく、自分の感覚で選ぶこと。そんな思いをさりげなく支えてくれる一本が、ストレートジーンズなのだと思います。

 

 

おわりに

ストレートジーンズは、女性の服として最初から存在していたわけではありません。歴史の中で何度も選ばれ、そして育てられてきた形です。

今もどこかで、誰かが新しい一本を選び、少しずつ馴染ませながら、その人だけのジーンズに育てています。

「まっすぐ」であることが、美しい。そう思える日々のそばに、ストレートジーンズはきっと、これからもあり続けるでしょう。

BOBSONのストレートジーンズも歴史があり少しずつ形を変えていっています。

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